千葉周作
2008/12/28 日曜日 – 10:43:01
書名:千葉周作〈1〉 (山岡荘八歴史文庫)
著者:山岡荘八
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
山岡荘八といえば、徳川家康全27巻を思い出すのだが、この千葉周作も面白い。
明治40年生まれの人なので、難しい文章を書くのかと思うと、これがまったく平易な文章なのだ。
司馬遼太郎よりも、松本清張よりも平易な文章で、それは池波正太郎くらいだろうか、実に読みやすい。
いったい、娯楽小説は光でなくっちゃ!と思うくらい、読者の立場を考えて書いてくれる作家だ。
さて、『千葉周作』だが、作家によってこれほど内容が変わるのかと思うくらい、司馬遼太郎の『北斗の人』と内容が異なる。
人となりも異なっている!
この『千葉周作』には、悪い人が出てこない。
悪役ぽい、高島音次郎ですら、最後はお稲と千葉周作によって、改心する。
無粋のはずの三好丹波もほんとは粋な人だった。
それなのに、この世の中は『みんなハッピー』になれない。
慣れないけれど、そうなることを目指して信じて生きていく。
山岡荘八の小説には、どれも「何があっても生きていく』というエネルギーと希望を感じる。
だから、彼の小説は面白いのだ。