だれが信長を殺したのか
2008/4/6 日曜日 – 16:27:03書名:だれが信長を殺したのか (PHP新書 452)
著者:桐野作人
自分史を作成するうえで、市販の書籍を参考にすることはよいことだと思います。もちろん度を超して盗作になってはいけません。
プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
また自分史として自分の知識と経験を綴るにしても、情報収集は必要です。取材に行くこともあるでしょうし、参考文献を読破するも必要なことです。
ここではわたし、野見山肇が読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。
本能寺の変といえば、歴史ファンならずとも気になるミステリーの1つに違いない。歴史ファンなら、もう何冊も読んでいるテーマに違いない。
チョイ歴史ファンのぼくも何冊も読んでいる。そして何冊も読みながら、このテーマだとついまた読んでしまう。
というわけで手に取ってみたのだ。
人間には2種類あって、それは情報収集型と情報発散型の2つだ。
この桐野さんという人は、本を書く人でありながら、どうやら情報収集型の人のようだ。
と思って著者プロフィールを見たら、編集プロダクションの主催者だった。
どうりで!
「だれが信長を殺したのか」というのだから、「てっきり真犯人は○○だ!」という仮説を元に話が進んでいくのかと思ったら、そうではない。
本能寺の変が起こる前後の状況を解説する本なのだった。ただ、暗に信長の四国采配方針に端を発しての明智光秀の謀反説のようだが、それを裏付ける決定的な証拠を、桐野さんはまだつかんでいないので主張していないという印象を受ける。
そしてまた、立花京子さんという人が主張している朝廷黒幕説を否定している。
バランス的にこの部分チョビットなのだが気になる。ほかにも否定すべき説はいくらでもありそうなのに、なぜ桐野さんは立花さんの説だけを否定しているのか?
これもミステリーの1つだ。
ちなみに桐野さんは別著に、「真説 本能寺 (学研M文庫)」というモノがあるので、そっちも読んでみようと思う。