北斗の人
2008/12/16 火曜日 – 17:15:36
書名:北斗の人 (角川文庫)
著者:司馬遼太郎
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
千葉周作といえば、子供の頃月曜夜7時半からやっていた「剣道まっしぐら」を思い出す。
というか、この記憶しかなかったが、「北斗の人」を読んで、憧れてしまった。共感してしまった。
といっても、それは司馬遼太郎の創作した千葉周作に過ぎないのだけれど。
どうやら千葉周作は理系人間らしい。
それまでの剣術を分析し大系付け、新しい剣術に論理的に定量的に再構成している。
あいまいだった「○○の構え」といってものをわかりやすく、新参の入門者にも伝授する。
彼の所属していた中西一刀流の奥義もその例外ではなく、そのために破門されてしまうのだけれど。
この破門を転機に千葉周作は新しい日本一の剣術を広めるのだ。
知名度を上げるために道場破りを繰り返すのだが、勝てると見なした相手にすら、分析を始め、相手から何かを習得しようとする。
生き方として、彼に学ぶところが多いのだ。実に魅力的な人なのだ。
司馬遼太郎は、この筆力で、ただのイベント屋だった坂本龍馬を幕末のヒーローに祭り上げたのだから。
司馬遼太郎にも、ほとほと感心する。