葦の浮船
2008/11/29 土曜日 – 11:17:28
書名:葦の浮船 (角川文庫 緑 227-22)
著者:松本清張
自分史を作成するうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を作成するときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。
カバーの折り返しには「妻を寝取られたあげく、ぼろ布のように捨てられた男の怒りが爆発した。」とあるのに、主人公の折戸は、100ページを過ぎてもまだよろしくやっている!
何でだ?と思いながらも、読み進めていく。
どうも変だ。おかしい。いつもの松本清張らしさがない。
やはり彼は心情を描く小説でないと無理なのだ。
裁けたやり手学者の折戸と真面目一本肌の小関。二人の友情と妬みで十分なはずなのに、「野心作」に挑戦してしまったばっかりに失敗してしまったのだろうか。
あるいは、別の小説の下書きだったんだろうか?
松本清張の作品の中では不出来だ。