説話のなかの江戸武士たち
2008/3/23 日曜日 – 16:32:18書名:説話のなかの江戸武士たち
著者:白石良夫
自分史を作成するうえで、市販の書籍を参考にすることはよいことだと思います。もちろん度を超して盗作になってはいけません。
プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
また自分史として自分の知識と経験を綴るにしても、情報収集は必要です。取材に行くこともあるでしょうし、参考文献を読破するも必要なことです。
ここではわたし、野見山肇が読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。
江戸時代の室鳩巣という人の書き残した説話集を題材に、説話というものは作者の主観の下に人物像はおろか出来事すらも変わってくるのだということを実証する本なのです。
説話といえども、フィクションなので当たり前なのだが、説話ということばの重さ?により、ついついそう思いがちというところをついた、面白い企画の本だとは思う。
しかし、室鳩巣という人が皮肉屋さんのようで、あまりよろしくない。
こういう場合は、著者がその皮肉臭を消し去ってほしかった。惜しい!
なかでも、知恵伊豆で知られる松平信綱の島原の乱の際のエピソードには笑ってしまう。
「それじゃコントじゃん」というのが正直な感想。
ここだけ読んでも良いかもしれません。