十万分の一の偶然
2008/11/4 火曜日 – 13:49:19
書名:十万分の一の偶然 (文春文庫 (106‐66))
著者:松本清張
自分史を作成するうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を作成するときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。
推理小説というと、事件が起こって、その犯人捜しというのが、筋なのだけれど、ときに松本清張はちがう事を目論む。
ホントに推理小説を書く。
「推理」なので、主人公が事件に対して推理してそれを検証していくのだ。
だから、殺人事件が起こるとは限らない。
この「十万分の一の偶然」もそうだ。
事件は冒頭に起きるのだけれど、犯人捜し? トリック暴き? それとも復讐もの?
読み進むたびに、松本清張はどのパターンの小説にしたんだと、そっちが気になっていく。
ラストを迎えるまで悩ましい。非常に高度な「推理小説」だ。