電子メディア時代の文章法
2008/10/17 金曜日 – 14:52:56
書名:電子メディア時代の文章法―知っ得
編者:國文學編集部
自分史を作成するうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を作成するときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。
出版業に関わったことない人にとって、編集者という存在はあまり意味のない存在のようだ。
以前に「自費出版を取り巻く状況」というセミナーに参加したことがある。
セミナーのあとに質問コーナーというのがあったのだが、そこで出た質問が、
「なんで出版社は、編集という作業にあんなにお金を取るのですか?
昔と違って今はフロッピーにデータを入れているんだから、本にするのは自動でできるはずです。
ノンブルを付けるだけなのに、なんであんなにお金を取るのですか?」
「私は出版ということになれば制作の側の人間なのだが」という前置きでこのような質問をしたのだ。
びっくりしたが、確かに編集という作業わかりにくい。
著者がしっかりしていればよい原稿を書けるはずで、編集者というものがいらないではないかという発想、わからないでもない。
こんなとき、この本を読めば、いかに編集者が必要か、我欲わかるのではないかと思ったのだった。
そうそうたるメンバーが執筆陣になっているのだが、読んでいて疑問に思うことや、ウソを書いている、何でこんな時代錯誤なことを言っているんだろう?と不思議な気持ちにさせる本なのだ。
奥付を見てみると2008年5月10日の初刷りになっている。
おかしい!と思ってよく読んでみると、どうも2000年に書いた原稿を整理して、2008年に出版したようだ。
謎が解けたが、これこそ、編集者は何をやっていたのだ!と思ったのだ。
「電子メディア時代」という命名からして時代錯誤的だが、パソコンやインターネットに絡んだ情報で8年前の原稿をそのまま掲載するという編集者。
こんな編集者がいるのなら、上記の質問もしたくなる。
ぼくもいいたくなる。
と謎が解けたあとは、そうだ8年前ならこんな感じだったと、懐かしい気持ちに浸れる本だ。