ナポレオン伝説とパリ
2008/10/13 月曜日 – 13:28:38
書名:ナポレオン伝説とパリ―記憶史への挑戦 (historia)
著者:杉本淑彦
自分史を作成するうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を作成するときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。
先日、知人から聞いたところによると、フランスではナポレオンはそんなに英雄ではないのだ、とのことだった。
知人はパリに数年暮らして、帰国後はフランス語の通訳をしていた人なので、フランス文化について、外れた見識を持っているはずがない。
と思っているので、ちょうど良い本を見つけたと読んでみたのだが。
これがはずれというか、わかりにくいのだった。
なので、なぜわかりにくいかを考えてみたい。
この本のタイトルを分析するに、この本が提供する情報は、
・ナポレオンがどんな人で、現代フランス人がどう思っているのか
・ナポレオンの辿った地域はどこで、その移籍は現代フランスのどこにあるのか
・ナポレオンが何をしたのか、その結果以降のフランスにどんな影響を与えたのか?
ということに尽きる。
3点とも、過去のナポレオンがいた時代の話と現代の話を絡める必要がある。
そうなのだ。
この本がわかりにくいのは、過去と現代が、著者の頭の中で交錯して、そのまま原稿となっているからなのだ。
杉本さんはすべて理解しているので、過去と現代に行ったり来たりしても、混乱はないのだろうが、読む側は時間軸の迷子になってしまうのだ。