起承転結文の書き方
2012/2/1 水曜日 – 12:36:06文書を書くときの考え方(企画)のちょっとしたコツの紹介です。
自分史を書くということは、長い文章を作成することです。
うまい文章やわかりやすい文章は、文才に恵まれた人だけの特権だと思っていませんか?
もちろん文才に恵まれた人は、うまい文章やわかりやすい文章を書くことができます。
でも、特に文才がなくたって、十分にうまい文章やわかりやすい文章を書くことはできるんです。
ここでは、そのちょっとしたコツを1つずつ紹介していきます。
作文の構成として、「起承転結で書こう」なんていわれたことのない人は数少ないことでしょう。
そもそも起承転結に縛られることはまったくないのですが、この起承転結構造にするには、ちょっとしたコツがあります。
起では、題材を何にしたかを書けばよいのです。
結は、テーマです。その文章で何を伝えたいのかを書けばよいのです。
承と転は題材とテーマにより、思案のしどころであり、腕のふるいどころです。
どうふるうか、ここで引きつけるテクニックには、共感と発見、大小を絡める、というものがあります。
例えば。
———–
人の役に立つことをしたことがないし今も役に立っていないので、せめて4ヶ月に一度くらいにと始めた献血。昨日も行ってきた。
この献血には実は特典が2つある。1つはちょっとした健康チェックになること。気になるγ-GTPの値も分かるし、コレステロール値も分かる。とまあ、これは血液検査すればいいだけのことだが、もう1つの特典がすごい。
献血するともらえる景品にレトルトカレーというのがあるのだが、これは三越グループの二幸という会社が作っているカレーで、なんと非売品らしい(三越のお得意様ならもらえるかもしれない)。もちろんおいしい(これを食べたくて献血するくらい)。どのくらいおいしいかというと、スーパーで売っているレトルトカレーを超えている(と思っている)。ひょっとすると初期のボンカレーを始めて味わったあのときのわくわく感を上回る絶品かもしれない。
興味のわいた方は、ぜひ一度赤十字センターで献血を!
———–
解説すると。
「人の役に立つことをしたことがないし今も役に立っていないので、せめて4ヶ月に一度くらいにと始めた献血。昨日も行ってきた。」というのが「起」で、「興味のわいた方は、ぜひ一度赤十字センターで献血を!」と言うのが「結」だ。
献血する人がもっと増えたらいいなと思ったのだ。
そこで、何を題材にするかだが、共感と発見の考えてみた。
献血すれば、血液検査結果が分かるのは、献血したことがない人でも理解(推測)されるだろう。ということで「承」に「この献血には実は特典が2つある。1つはちょっとした健康チェックになること。気になるγ-GTPの値も分かるし、コレステロール値も分かる。とまあ、これは血液検査すればいいだけのことだが、もう1つの特典がすごい。」ということを書いた。
で「転」には献血をしたことない人には分からないはずの情報提供をしたわけだ。
「献血するともらえる景品にレトルトカレーというのがあるのだが、これは三越グループの二幸という会社が作っているカレーで、なんと非売品らしい(三越のお得意様ならもらえるかもしれない)。もちろんおいしい(これを食べたくて献血するくらい)。どのくらいおいしいかというと、スーパーで売っているレトルトカレーを超えている(と思っている)。ひょっとすると初期のボンカレーを始めて味わったあのときのわくわく感を上回る絶品かもしれない。」
ここには、「大小を絡める」という切り口を使っている。
おいしいという大きな(普遍的な)話をするのに、ぼくの個人的な体験と主観に矮小化してみたのだ。
こんな風に、最終的に書かれた順番と、何を書くかを構想する順番はまったく別物なのだ。
これは起承転結文に限らず、作文を書くとき全般にいえることでもある。