大江戸番付づくし
2011/7/2 土曜日 – 16:59:31
書名:大江戸番付づくし
著者:石川英輔
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
庶民の力というか、人間の集団力はすごいもんだと感心するのが、江戸時代。
江戸の人口の半分を占める武士とそれ以外の人々。武士は何も生産しないから、江戸の繁栄は日歩視界宮の人がもり立てたのだ。
その他のも椎人たちの暮らしぶりや価値観が偲ばれるのが、この番付表。
今で言うところの月刊誌みたいなものだろうか。週刊誌が瓦版か。
江戸時代の交通機関は主に徒歩。せいぜい船。それなのに、この番付表を発行する人の博識には驚かされる。
なぜ江戸にいて、日向(宮崎県)のことまで知っているのだろう。噂で聞いたのだろうけれど。すごい。
表面的には、今も昔も男社会だが、今よりもっと差別的表現も許される頃なので、女の人の価値を男側の視点で書いているのだが、それがまた哀愁を持って綴っているようで、ほほえましい。
番付表がこんなに楽しめるものだとは!
では、今自分で何かの番付表が作れるのかと考えてみると、手前勝手なモノは作れるだろうが、みんなにおもしろがってもらえるのはほとほと難しそうだ。
ときどき広告代理店の研究所が番付表を出すが、あれはある意図を持って収集された標本集団のアンケート結果。
そこに意図が隠れているが、表だってはアンケート結果という発表者の意見が出ていない。
それに比べて、江戸時代の番付表のなんと勇ましくもすがすがしいことか。