書きあぐねている人のための小説入門
2010/6/15 火曜日 – 20:04:32
書名:書きあぐねている人のための小説入門
著者:保坂和志
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
これは文章読本ではないけれど。
タイトルで騙して売るような本は不誠実だと思う。「書きあぐねている人のための小説入門」となっていれば、誰だって小説の書き方を指南するマニュアルだと思うだろう。入門とあればそれも初心者向けだと思うだろう。
ところが。
第1章で「小説を書くためのマニュアルはない」と断言する。
ずいぶんと自信を持っている我、どうやら、ご本人には「できない」という宣言のようだ。
なんで、こんなタイトルにしたのだろう? 謎だ。
読み始めると、自作の紹介が多い。どうやらご本人には、自分の小説が誤解されている、正しく意図が伝わっていないというコンプレックスがあるようだ。
「そうではない。ぼくはこんなに物知りで。こんなに研究して。そしてあんな立派な小説を書いたのだ」ということを主張しているようで。
保坂さんは小説を小説でなく、大説くらいに思っているんじゃなかろうか、と思ってみた。
そんなことより、もっとすらすら読める小説を書く修行でもしてもらいたい。
引用して紹介されている自作の小説は、読みづらいのだ。