軍師 官兵衛〈上〉
2010/3/26 金曜日 – 10:15:12
書名:軍師 官兵衛〈上〉 (講談社文庫)
著者:岳宏一郎
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
黒田官兵衛の一代記の前半。
小寺氏の家老だった官兵衛が城主らを説得し、織田方へ組みするところから、三木城攻めまで。
もとは新聞小説だったものを文庫化している。
だからだろうか、全体に中だるみ気味で、黒田官兵衛の向上心や勢いが表現されていない。
播磨灘物語を引き合いに出すのもなんだが、黒田官兵衛の前半には、もっとエネルギーと野心を中心に描いてほしいものだ。
かといって、この小説がダメというわけではない。
たまたま主人公が黒田官兵衛で、テーマは戦国時代のやるせなさだとすればよく描かれている。
戦に敗れるということは命を失うこと。また城主・家臣、その家族は運命をともにするということ。
こう行ったことが無残にも描かれている。
こんな話の主人公に、黒田官兵衛を選ばないでほしかった。
下巻(後半)は、いよいよ天下取りだ。