熊田十兵衛の仇討ち

2008/7/21 月曜日 – 13:41:41


書名:熊田十兵衛の仇討ち (双葉ノベルズ)
著者:池波正太郎

自分史を作成するうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を作成するときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。

池波正太郎の面白さは、登場人物が、あちこちの小説に登場するところ。
もう一つは、長編・中編小説に記されているエピソードが、短編小説として、再構築されるところ。
あっ、これ読んだ!と思っても、それは別の小説だったりするのだ。

この「熊田十兵衛の仇討ち」という本は、短編集で、仇討ちをテーマにしたものがそろえられている。
池波正太郎は、仇討ちをテーマにしたものが、けっこうある。
彼は、時代考証の解説を小説の仲にうまく折り込むことができる作家だ。

仇討ちというものがなぜ江戸時代に認められていたのか?
その効用は何か? どういう仕組みになっているのか?
10本の小説があれば、3本くらいにはその解説が出てくる。
この仇討ちを説明する際に欠かせないのが、各藩における治外法権の制度だ。

たまに司馬遼太郎も、ストーリーを追うのを中断して、時代考証の解説をしたり、現代の風景を描いたりするが、池波正太郎は、この頻度が多く、しかも自然だ。

チョイ上の自分史わたし本なら文研ビズ

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