わかりやすく説明する技術
2010/1/13 水曜日 – 17:35:39
書名:わかりやすく説明する技術 (実日ビジネス)
著者:冨永敦子・綿井雅康
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
テクニカルライターという職業があって、それは取扱説明書などを書く人なのだけれど。
このテクニカルライターの第1使命は、納期に間に合わせること。
標準工期というものがあるのだが、それを無視したような納期であっても、対応するのが使命だと思っている。
そして、第2の使命が、わかりやすいとは何かということを考えること。
これは取っても大事なことだが(と思っているのだが)、そんなことを一生懸命に考えているのは、恐らく日本中探しても、テクニカルライター詩歌見つからないのではないかと思っている。
ぼくもその1人だからよく分かる。
この『わかりやすさ』への検討は、ときに自身の能力を超えた域にまで達してしまい、主張する割にはわかりやすい文章を書くことができない人が多い。
冨永さんもその1人だろう。
主張していることは実に当たり前というか、本質を突いているのだ。
それにしては、読んでいっても目はページを上滑りしていくのだ。
その原因は、
・例を挙げて説明しているのだが、その例がくだらない話しだから。
・あまりにも正論過ぎて、わざわざ聞く価値もない。
昔のテクニカルライターは、立派なことや正しいこと、有益なことを書けば、読み手は分かってくれる。という思い込みを持っている。
退屈したり、他のことに気を取られたり、つまり(マニュアルの)読み手は、「理解しようという意欲に燃えていない」事に気づいていないのだ。
にも関わらず、テクニカルライターは、説明する商品や技術の立派さにびびってしまい、「きちんと書きさえすれば、あとは読み手が分かるべき」という前提で、わかりやすいマニュアルを作ろうとしてしまう。
それが「マニュアルはわかりにくい」という先入観を作ってしまった原因なのだ。