参勤交代道中記

2008/7/12 土曜日 – 14:53:00


書名:参勤交代道中記―加賀藩史料を読む (平凡社ライブラリー)
著者:忠田敏男

自分史を作成するうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を作成するときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。

加賀版の参勤交代の資料を解説した本だ。

これまでいろんな歴史の解説書を読んだが気になることがあった。
それは、ある特定の人物や団体についての資料を基に、「江戸時代の○○」や「戦国時代の○○」を解説していることだ。
どうして、○○氏の史料だけしか出てこないのだろう?とかねがね思っていたのだが、ようやくここに来て、その謎が解けた。
つまり、歴史研究家というのは、あるテーマについて資料をあさるのではなく、ある人物や団体・地域についての資料をあさるのだ。
そして、その資料を読み進むうちに、あるテーマについての解説を始めたくなるのだ。

そう思うと、理解できる。
確かに江戸時代の物価と武士の暮らしと言っても、東西南北人それぞれだろう。今と違って国勢調査など一貫した史料もないだろうし、調べようもないだろう。
それよりも1人の詳細な記録を読み解いて、解説するしかないのだ!

と歴史研究書についての謎が解けたことが収穫だった。
もちろん、参勤交代に莫大なお金がかかること、行程を決めるにも、他藩との絡みがあることなど、興味深いことは多くあった。

ただ、聞いた話では、参勤交代は要所の時だけ、人をそろえて、あとは、簡素に行列していた.というものだったが、そのことについての記載は一切ない。
つまり、加賀藩は、そんなコトせず、全行程を求められる格式で行ったということなのだろう。
さすが、百万石の大藩!

チョイ上の自分史わたし本なら文研ビズ

Post a Comment