果心居士
2009/12/6 日曜日 – 13:42:40
書名:果心居士の幻術 (新潮文庫)
著者:司馬遼太郎
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
忍者がいたのか?というと、記録上は不在であるべきだろうと思っている。
名を隠し、影のように行動するのが忍者なのだから。それを名乗っちゃダメだろう。と思うのだが、有名どころは名を残している。
上忍と呼ばれる人たちは経営者であり、マネージャなのだから事務職で、忍術なんてやっている場合じゃないのだけれど。
服部半蔵の小説では、すごすぎる技を使ってみせるモノがある。
その点、司馬遼太郎は違うのだ。司馬遼太郎が忍者小説を書くなんて意外も意外なのだが、読んでみればよく分かる。
やっぱり司馬遼太郎なのだ。
術を持って活躍するのは下忍だとか、上述の忍者だから活動記録が残っていてはダメなのだ。
という主張なのだ。そういいながら、「数少ないが記録が残っている」と話を進めていくのは、うまいとしかいいようがない。
そういうわけで、恐るべき忍術をもった人の短編小説なのだけれど、忍者というモノは催眠術師じゃないのか?
これが池波正太郎だったら、鍛錬と忍耐の人が忍者ということになるのだけれど。
どうやら、司馬遼太郎は忍者なる者を認めていないようだ。