桃尻語訳 枕草子
2009/10/25 日曜日 – 15:19:45
書名:桃尻語訳 枕草子〈上〉 (河出文庫)、桃尻語訳 枕草子〈下〉 (河出文庫)
著者:橋本治
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
橋本治といえば桃尻娘なので、彼が古典を訳すとなると、避けられないことなのだろうけれど。
前書きを読むと、清少納言こそ、「当時」の桃尻語を使っていて良いのだ、との決意の元、ニュアンスを伝えるために出版したとのことだが。
またそれに洗脳されて、読み始めたのだけれど。
どうも違うんじゃないかと思うのだった。
清少納言といえば、史上初のキャリアウーマンだ。純然たる男社会の中で、女性としてのし上がったのではなく、文学的才能という男社会の能力でのし上がった人だと思っている。
女性の中の先駆者であり、男の人に弱みを見せられない立場の人のはずだ。
それがこんなちゃらちゃらした文章で書き記したのだろうか?
なんか、違うような気がする。
「当時」のほかの文章とはひと味違っているところまでは納得するのだが、それが「現代」でいうところの桃尻語ではない気がする。
そんな訳ではなく、橋本治には、21世紀の清少納言的存在の女性が、枕草子的エッセイを書いたら、という前提で、21世紀版枕草子を書いてほしかったよ。
彼なら、書けると思われるだけに残念。