戦国時代の終焉
2008/6/18 水曜日 – 10:56:22
書名:戦国時代の終焉 – 「北条の夢」と秀吉の天下統一 (中公新書(1809))
著者:齋藤慎一
自分史を作成するうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を作成するときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。
齋藤慎一さんの本を読むのは初めてだが、北条氏の本なら何冊か読んだことがある。
不思議な共通点が今のところあって、それは読みにくいということ。
いくつもの事件が、バラバラに紹介されているのだ。
時間軸が交錯し、テーマが交錯し、齋藤さんの「今しゃべりたい」順にいろんな情報が錯綜するので読みにくいのだ。
これにはぼくなりの分析がある。
採り上げるテーマに無理があるのだ。
「沼尻の合戦」という事件が天昇12年に起こったそうだ。
齋藤さんによれば、このあまり知られていない合戦は小牧・長久手の合戦と並んで戦国時代の終焉を告げる、歴史的事件だそうだ。
だったら、それまでに有名になっているはずなのだが、この「沼尻の合戦」を有名にしよう、最初に目を付けた功労者になろうと思い立って書いた本じゃなかろうかと、ぼくは思っている。
そのためには沼尻の合戦の説明が必要になる。また、この合戦の歴史的意義の説明も必要になる。
この2つの説明は、似た題材を使うことになるが、主題はまったく異なる。
こういう場合は、2部構成にすればよかったのに。