悲しみのアンナ
2009/8/22 土曜日 – 15:45:00
書名:悲しみのアンナ (祥伝社文庫―警視庁国際捜査班)
著者:佐伯泰英
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
佐伯泰英さんといえば、ぼくにとっては居眠り磐音シリーズの作者である。
あれだけ面白いので、現代小説ならドンだけ面白いんだと思って読んでみたのだが、居眠り磐音シリーズの現代版を期待して読んではダメなのだった。
小説や作家には相性があると思う。ある作家が下手とか、ぼくら読者に読解力がないとか、そういう問題ではなくて、作家と読者の相性だと思う。
ぼくの場合は、時代小説を書く佐伯泰英とは相性が合うのだが、現代小説では彼とは合わないのだろう。
国際サスペンスものなら、ぼくは西村寿行がいいと思う。
というのは、話や登場人物がもっと簡素だからだ。シンプルなストーリー、シンプルな登場人物構成。もうぼくの読解力では、このような構造でないと読み切れないのかもしれない。
あるいは、佐伯泰英さんは、長編シリーズでこそ、真価を発揮するのかもしれない。そういえば居眠り磐音シリーズも登場人物の相関関係が頭に入るまで、理解しづらいところがあったことを思い出した。
ただ、アンナが魅力的人物に描かれていないのは、残念なことだ。