世襲企業

2009/7/26 日曜日 – 15:17:36


書名:世襲企業 (光文社文庫)
著者:清水一行

自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。

最近は「世襲」が批判されている。それだけ世襲の人が増えているからだろう。
ここで世襲問題を論ずるつもりはないのだけれど、話題のキーワードなので、そこから連想して読んでみたというわけだ。
冒頭に「この作品はフィクションであり~~」というお断りがあるので、話のどこかには、現実のことが参考になっているのだろう。
それがどこかは小説の品質とは無関係だが。

広島の自動車会社といえば、マツダだ。広島最大の企業らしい。そしてオーナー会社のようだ。知らなかった。
というように、へーえ、そうなのかと興味を持って読んでいった。モデルの存在する企業小説は、よかれ悪しかれこのような読まれ方をするものだろう。
という部分はまったく申し分ないのだけれど。

この小説、落ちがないのだ。読み終わって?と思うのだった。表紙を改めて見直して、どこにも「第1巻」という文字がないのを確認した。
おかしい、ふしぎだ。本が途中で終わっている。
表紙のカバーには「”世襲”をテーマに、成長する企業の内外の軋轢を描いた傑作。」と書いているのだけれど、正しくは「”世襲”をテーマに、成長する企業の内外の軋轢を描こうとした。」だろう。清水一行さんには早く結末を書いてほしいと思う。

チョイ上の自分史わたし本なら文研ビズ

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