うつくしく、やさしく、おろかなり―私の惚れた「江戸」
2008/6/9 月曜日 – 5:43:55
書名:うつくしく、やさしく、おろかなり―私の惚れた「江戸」
著者:杉浦日向子
自分史を作成するうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を作成するときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。
ぼくは江戸時代に憧れているが、杉浦日向子さんには叶わない。杉浦日向子さんは江戸の暮らしや人々を愛しているのだ。
この本は、杉浦日向子さんのエッセイをまとめたもので、書き下ろしではない。
あるテーマを持って、江戸を解説したものではない。
それなのに、1つのテーマ性があるのは、そのテーマが「私は江戸に惚れた」だからだ。
どうやら、杉浦日向子さんによると江戸は男でいうとダメ男らしい。格好つけるけどだらしなくて、意気地もないらしい。
江戸に住む人は圧倒的に男が多かったということは聞いていたが、自炊をほとんどしなかった。三食定時に食べていたのは、武士と商人だけで、町人はお腹が空いたときに食べていたとは!
蕎麦も食事ではなく、小腹を満たすものであり、蕎麦で満腹は粋でないとか。
夫婦も共働きだが、オッカサンは自分の稼ぎはすべて自分の小遣いであり、一家を養うのは亭主の稼ぎと決まっていたとか。
この本とは関係ないが、「見栄は生きる活力だ」ということを聞いたことがある。
そして、江戸時代の男たちも同じ事を行っていたのかなと思い始めた。