「しきり」の文化論
2009/6/25 木曜日 – 20:00:16
書名:「しきり」の文化論
著者:柏木博
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
「しきり」の文化論とあるので、てっきり「イベントを仕切る」というような意味の「しきり」だと思った。
文化論と銘打っているのだから。
ところが、この「しきり」は間仕切りのことだ。
この紛らわしさ、実のところ30ページほど読んでもまだ気付かなかったのだ。
間仕切りのことだ。この本は建築物の解説本だということに気付くまで、実に50ページほど読んでいたのだった。
うっかりしているぼくも悪いが、著者である柏木さんもダメだろう。なにせ、「はじめに」と第1章は精神論というか、精神的な境界について
の話がダラダラと続くのだから。
第2章以降は、きびきびとした文章になるわけではないのだけれど。
第2章以降は、建築物の話になるので、勘違いの甚だしい、思い込みの強いぼくですら、この本は間仕切りについて解説した建築の本だということがわかるのであって、文体はダラダラのままだ。
おそらく柏木さんは物知りなのだろう。そして物知りすぎるから、説明したいことが芋づる式に増殖し、話は脱線しつつその脱線が本線になりつつ、という迷走文を書いてしまうのだ。
境界、間仕切りについてだけの建築薀蓄話ということにしておけば良かったのに!
間仕切りについて、知っていること全部を書くからこうなる。