殺しの掟
2009/6/15 月曜日 – 20:21:17
書名:殺しの掟 (講談社文庫)
著者:池波正太郎
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
「梅安シリーズ」の原型というのだから、必殺仕掛け人シリーズのご先祖みたいな小説だ。
しかし、この頃というか、テレビ時代劇の必殺シリーズとは違い、池波正太郎の殺し屋が出てくる小説は、人情小説なのだ。
殺す側、殺される側、そして殺しを頼む側、それぞれの都合と事情を描いたうえで、依頼は実行される。
世の中に殺されても良い、死に値する人間なんて、いてほしくないのだが、池波正太郎の小説の世界には存在する。
どうしようもないヤツなのだ。いてはそいつに関わる人が災いを受けるだけ。
そいつはもう十分、この世で法外な極楽を堪能しているから、もうそれ以上生き延びる必要はない。
そんな人たちが消えていく。