江戸の助け合い
2008/5/30 金曜日 – 11:15:08
書名:江戸の助け合い
著者:芳賀登/光田憲男/谷田部隆博
自分史を作成するうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を作成するときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。
漠然としたモノなのだが、江戸時代には憧れている。
今より悲惨なことも多かったとは思うが、悲惨なことに関して情報収集していないため、切実には思っていない。
それより、江戸時代のすばらしさを展開している本ばかり読んでいるから、憧れているだけなのかもしれない。
この本も、江戸時代の人が助け合って暮らしていたことをさまざまな点から書き綴った本なのだ。
読んでいて、気持ちよくペースをめくることができるのは、きっと著者の方々が江戸時代を愛しているから。
かといって、今の日本はダメだという恨み辛みがあるわけではない。
江戸時代の人は、こんな風に思いやりと共生精神があったのだ、と淡々と綴られているのだ。
年長の友人が「大家さんというのは管理人のことだ」と言っていた。
「えーーつ、差配三が管理人で、大家さんは家や土地の所有者じゃないの?」と思っていたのだが、この本によるとまさしく大家さんは管理人であった。
ただし、大家さんというのは有力町人ではないらしい。大家さんの年俸は2両2部で、下男奉公と同じくらいの給金だったのだ。
最も印象に残ったのは、長寿を祝う風習があったこと。
なんでも、183歳の鎌部儀左右衛門さんという人は領主から永大15人、扶持銀15枚、普請金100両をもらったそうだ。
そのうちには玄孫(やしゃご)の子までいる第世代家族で、孫の万之助さんですら103歳だったそうな。