谷中・首ふり坂

2009/5/31 日曜日 – 17:45:18


書名:谷中・首ふり坂 (新潮文庫)
著者:池波正太郎

自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。

池波正太郎と藤沢周平は、ただのチャンバラでなく、人情の機微までを描く小説家と思っているのだが、それにしても、どうしてこうも作風が異なるのだろう。
この「谷中・首ふり坂」に収められている「内藤新宿」を除く10編の小説を藤沢周平が書いたらどうなるのだろう?
登場人物の生き生きさ加減では、藤沢周平だろう。
でもかっこよさでは池波正太郎だろう。

というのは。

池波正太郎の描く登場人物たちは、みんな「生かされている人たち」ばかりだ。
大きな天命のもとに、武士は武士として、悪者は悪者として、飯炊き女は飯炊き女として、それぞれが与えられた使命に精一杯生きている。

藤沢周平はどうだろう。それぞれが自分自身で精一杯生きている。
ような気がする。

この「谷中・首ふり坂」には、そんな精一杯の生き方が描かれている。

チョイ上の自分史わたし本なら文研ビズ

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