文章の品格
2009/5/5 火曜日 – 16:21:25
書名:文章の品格
著者:林望
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
「品格」という言葉に偏見を持っていて、つまりその「品格」などという言葉を書名にする人の本なんか軽蔑していたのだった。
気持ち悪いではないか。 「○○の品格」といい、そもそも○○に品格があったかのようにいい、自分の個人的な独善的な偏見を古来の日本文化からの継承のようにすり替えるという手法は。
ことわざに虎の威を借る狐というのがあるけれど、軽蔑に値する人たちの中でも最下層なふるまいだろうから。
ところがである。百聞は一見にしかずという。
この林さんの文章の品格は、大嫌いな「○○の品格」とは違い、品の良い人が書いた文章読本なのだった。
ネーミングセンスは悪いと思うが。
林さんは言う。
・新聞コラムを筆写せよ
・古典に親しめ
・筆者の手を離れた文を書け
コラムを筆写するのは、基礎の国語力を身につけるには有効だろう。ほぼ賛成。
古典に親しむのは、古語をすらすら読むことができる能力を身につけるのが先決なので、現代語訳の古典に親しめと言うのなら、賛成。
筆者の手を離れた文というのは、客観的な視野により推敲せよということなので、賛成。ライターなら誰でも賛成することだけれど。
主張していることは至極まとも。