闇は知っている
2009/4/15 水曜日 – 11:01:03
書名:闇は知っている (新潮文庫)
著者:池波正太郎
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
歴史にイフは不毛な妄想だと思っている。同じように人生にも。
そうなのだけれど、この「闇は知っている」を読んだあとだけは、この山崎小五郎の人生を考えてしまった。
小五郎は捨て子であった。
それより、寺の和尚・隆浄に大事に育てられるが、後家の誘惑に負けて以来、転落の人生を送る。
ま、これが転落なのかどうかは見方考え方により異なるだろうが。
さて、小五郎は殺し屋になる。大金も手にする。
それは楽しかったのだろうか?
もし、小五郎は後家の誘惑に負けてはしても、和尚の指示に従い、寺を移っていれば、血で汚れた人生は送ることはない。
人に尊敬される立派な和尚になっているだろう。
あるいは、藩に呼び戻され・・・。
それでも選んだのは小五郎。楽しいも辛いも小五郎の人生。
でも、どっちがいいんだろう。と考えてしまう小説なのだった。