黒い画集
2009/4/7 火曜日 – 18:04:37
書名:黒い画集 (新潮文庫)
著者:松本清張
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
ぼくは独り者なので「浮気」というものは体験のしようがないのだけれど。
甘く危険なものに違いない。現実問題としてはさほど危険ではないのかもしれないが、フィクションの世界では危険であることに間違いない。
(危険でなかったら、題材にならないのだけれど)
「凶器」
一方的に思いを寄せられた未亡人が襲われたので、正当防衛(過剰防衛?)した話である。
普通犯人は悪者なのだけれど、これは犯人が逮捕もされずに生きていくはずなのだけれど、読んでいて心地よい。
「寒流」
力のあるものとないものが戦ったらこうなるというお手本みたいな話だ。
「遭難」
浮気された復讐なのだけれど、これは殺人なのだろうか?という疑問が残る。
ただ、犯人の計画性は、異常なものを感じるけれど。
どれも、謎解きより、登場人物たちの心の葛藤や言動が生々しい。
やっぱり何冊読んでも思う。松本清張は推理作家でなく、心理小説家なのだと。