荒涼山河風ありて
2008/11/29 土曜日 – 11:27:06
書名:荒涼山河風ありて (徳間文庫)
著者:西村寿行
自分史を作成するうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を作成するときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。
西村寿行のパターンの一つが、理不尽なトラブルに巻き込まれ、大切な人を殺された主人公が復讐に立ち上がるというものだ。
いってみれば勧善懲悪型なのだが、これが実に面白い。
おもしろがっちゃいけないと感情移入してしまうほど、外れがないのだ。
この荒涼山河風ありてもその極みだ。
一介の新聞記者と一介の気象庁職員(研究者)が自衛隊特殊部隊とやり合って勝つのだ。
ラッキーな展開もあるが、相でもないと読者としても納得がいかない。
彼らは不利な状況にあるのだから。
勧善懲悪なので、「アーよかった」という結末なのだが、満足感もある。
現実社会ではこんなことはできないことなので、余計すっきりするのかもしれない。
それにしても、西村寿行の小説では自衛隊は常にワルモン。なぜだか気になる。