回想法の実際
2012/1/28 土曜日 – 18:15:51
書名:回想法の実際
著者:アン・O・フリード、訳:黒川由紀子、伊藤俊子、野村豊子
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
高齢者に対する心理療法の1つである回想法。
○○療法といっても素人には難しくてそう簡単に手を出してはいけないと構える必要はなくって、お年寄りに自由気ままに気楽に昔のことをお話ししてもらえばよいのだ。
否定も肯定も気にしなくて、とにかく話して満足感を得てもらえばよいのだ。
立派な話を聞きたいとか、苦労して大変でしたねという同情も必要なく、ただ素直な共感と話してもらったことはすべて受け止めてしっかりと聞きますよという態度を見せればよいのだ。
ということを実感してもらうために、大先生型の行った回想法の結果がどうなるのかという実例集なのだ。
アメリカ人なので、日本人の伝統的価値観を表面的に捉えてしまっている一面が1つあるが、このような的外れな知識であっても、聞くという態度に間違いがなければ回想法は行える。
ただ難しいなと思うのは、話を聞き始めるとどうしても自分の興味あることを知りたくなること。
話し手の話したいことと聞き手の聞きたいことがずれたとき、いかに受容的な共感的な態度を維持するのか、これが著者に可能だからこのような実りある回想法を実践できるのだと思う。