正雪記
2011/9/30 金曜日 – 10:44:22
書名:正雪記
著者:山本周五郎
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
時代小説で歴史を学ぶのはナンセンスなのだが、歴史上の人物に抱く勝手なイメージは 時代小説や時代劇から影響を受けることが多い。
ぼくにとって、由井正雪とは江戸時代の世間を騒がせた大悪党なのだった。
というのは、時代劇では悪役として描かれるし、子供の頃に読んだ歴史こぼれ話では、江戸時代では、御上の威光というモノはすごく、犯罪人ですら「御用」と声がかかれば、「申し訳ごぜえませんでした」と素直に縛についたのだと書いてあった。
鼠小僧と由井正雪だけが、「御用」の声にも耳を傾けず、刃を傾けたとか。
由井正雪とは、とんでもない悪人なんだとイメージしていたら。
何のことはない。不平を募らせる浪人のリーダーだったのではないか。明治初期の西郷隆盛と同じだし、うまくいけば、革命家として名をはせたわけだ。革命は失敗に終わったけど。
という事を教えてくれたのが、この正雪記。何せ 由井正雪の乱は描かれていないのだ。
他の作家の書いた由井正雪だと、もっと野心家だったのだが、こっちでは えらく立派な人だ。