松本清張傑作短篇コレクション〈中〉
2008/9/26 金曜日 – 14:17:01
書名:松本清張傑作短篇コレクション〈中〉 (文春文庫)
著者:松本清張
自分史を作成するうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を作成するときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。
上巻を読んでいたので、この中巻も楽しみにしていた。
結果は期待どおり。1つ退屈なモノがあったけど。
この中巻では、「クスリと笑える」短編が紹介されている。
もちろん、登場人物にとっては笑えない状況だが、読者として、その結末に笑えるモノがある。
松本清張もユーモア小説を書いたりするのだと感心してしまった。
それは、書道教授、共犯者、空白の意匠、だ。
書道教授は主人公が人を殺してしまうのだから、笑い事ではないが。
でも主人公の妄想で話が進んでいく。
共犯者も同様に、妄想で話が進んでいく。
主人公の妄想癖が過剰なのか、松本清張の筋の展開が強引なのか、どちらなのだろう?
とかんがえてしまうくらい、この主人公、妄想に突き進んでいく。
そして警察に捕まってしまう。
「自分を客観的に見れるんです」と福田総理が自慢したが、自分を客観的に見ることは大事なんだということがよくわかる。
空白の意匠はサラリーマンの悲哀を描いた小説。
いちばん気配りして、動き回ったのに、詰め腹を切らされるなんて。
下巻がますます楽しみになる本だ。