わが子に教える作文教室
2011/5/30 月曜日 – 19:15:53
書名:わが子に教える作文教室 (講談社現代新書)
著者:清水義範
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
清水義範というと、パスティーシュが有名だが、本性は違うと思っている。
清水義範さんの最も優れたところは、心の描写がうまいところだ。
筒井康隆もうまいと思っているが、筒井康隆の場合は、ドヤ顔が浮かんでくる。
ところが、清水義範の場合は、自分の文才に気付いていないフリをして文章が綴られていくのだ。
ホントに気付いていなくても、どっちみち才能はあるのだからいいのだけれど、ここは「気付いていないフリ」をしていてほしい。
全ページを通して、伝わってくるのは、清水義範は「教える」ことが好きなんだなということ。
そこに愛があるのだ。子どもたちもその愛を感じるから、作文が上達したのだろう。
この「わが子に教える作文教室」は実にうまい教え方があったものだと感心する内容である。
うっかりものは、この本を読んで、学校の作文の授業もこうあるべきだと思ってしまうだろう。
しかし、この教え方は学校の作文の授業がダメ(つまらない形式主義)であることを前提にして、教えるという塾ならではの教育手法だ。
またオトナに対しても、この教え方は通じると思う。