ケータイ紛失!

2011/1/10 月曜日 – 10:23:58


書名:ケータイ紛失! (ハルキ文庫)
著者:吉村達也

自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。

読み始めたときは、ケータイのマニュアルを小説化したのかと思った。
ケータイのマニュアルは多機能が故に分厚く読みにくい。
ぼくもマニュアルを作っていたのでよくわかるが、多機能すぎるとどこに何が書いてあるのかを知っているのは作者であるマニュアルライターくらいで他の人には理解できなくなる。
そんなとき、状況に合わせてどのボタンを押せばよいのかを伝えるためには、こんなやり方(小説化)があったのかと思うほど不自然なほどケータイのどのボタンを押したという記述があるのだ。

読み進めるうちに、マニュアル小説ではないことが分かり、次にこれは誰もが持ちうるリスクを小説化することで、読者にはらはら感を出す巧妙な小説だということが分かった。
幸いぼくはケータイカメラをほとんど使っていないので写真のストックもないし、ケータイメールは待ち合わせ確認程度しか使っていないので心配無用だが、ドキドキしながら読む人は多いだろうなと思いつつ読んでいった。

それだけなら、ただの企画屋の書いた小説なのだけれど、面白いのだ。娯楽小説として商品価値があるのだ。
うまい、そして面白い。なにせ1時間半で一気に読み上げてしまったのだから。


チョイ上の自分史 わたし本 を作ろう!

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