2010/11/30 火曜日 – 18:58:46
書名:田舎で起業! (平凡社新書)
著者:田中淳夫
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
初っぱなから厳しい話が続く。うまくいかない例が続く。
田舎というと素人が最初に思い浮かべるであろう、無農薬有機野菜栽培の難しさが論理的に説明される。
次に産地直送の通信販売の難しさが綴られる。
山の仕事も大変だそうだ。「工房を作って!」と思いをはせる人にも冷や水を浴びせる。
うーーーん。厳しい現実。
と、この書評をここまで読んだ人には、「なんだ、それでは『田舎で起業!』じゃないじゃないか!」と思うだろう。
しかしそうではないのだ。そうでないことは読んでみれば分かるのだ。
著者である田中淳夫さんは森林ジャーナリストだそうだが、それを越えて、田舎で起業した人や田舎を愛しているのだ。
だから厳しいことを言っていても、ちっともいやな気分にならない。
ならないどころか、当たり前のこととして受け容れられる。
そうだ、そんなかんたんに起業が成功するはずがないのだから。
(一般的に起業の成功率は2割。つまり8割の人は失敗するのだから)
なまなかな気持ちでは起業してはいけない。
でも、田舎で起業するのは楽しい。
そういうことがよく分かる本だ。ぼくもUターンしたくなった!