鳩笛草
2010/5/24 月曜日 – 11:33:57
書名:鳩笛草―燔祭・朽ちてゆくまで (光文社文庫)
著者:宮部みゆき
自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。
超能力者が主人公の3つの小説集。
このうち燔祭は、後日クロスファイアという続編になる。
青木淳子の初登場する小説だ。
燔祭では、青木淳子は地味な女の人だが、クロスファイアになると地味な印象だが、きれいな顔立ちになっている。
キャラクターの洗練があったのだろうが、「地味な存在」を徹底した方がいい気もするが、クロスファイアにおける青木淳子の心の変化を考えると、きれいな顔立ちは欠かせないわけで、それなら燔祭でも「よく見ると整った顔立ちだが、それを拒むかのような地味な服装や化粧だった」ということにしておけばよかったような。
燔祭に限らず、鳩笛草も朽ちていくまでも、終わり方がちょっと唐突というか、宮部みゆきは、長編が得意なのではないかと思う。
いいたいことはもっともっとあるのに、原稿用紙がつきてしまった、そんな作品集だ。
その「いいたいこと」を探すのも、楽しいことでもあるのだけれど。