ダイナブックの思い出-2-
2010/3/11 木曜日 – 10:46:44文章を書くテクニック・文書を作成するノウハウ、メールやビジネス文書のコツ。
文書を書くのに便利な情報を毎日公開しています。
ぼくはテクニカルライターをかれこれ20年やってきました。
そこにも、作文のテクニックが隠れているかも!?
自分史を書くということは、長い文章を作成することです。
うまい文章やわかりやすい文章は、文才に恵まれた人だけの特権だと思っていませんか?
もちろん文才に恵まれた人は、うまい文章やわかりやすい文章を書くことができます。
でも、特に文才がなくたって、十分にうまい文章やわかりやすい文章を書くことはできるんです。
ここでは、そのちょっとしたコツを1つずつ紹介していきます。
4人がかりで戦略商品ダイナブックの取扱説明書は何とか完成しました。
その後はぼくとAさんがダイナブックの担当ということになりまして、2代目以降の取扱説明書を書いていきました。
ある日のことです。
部長が「おい、コミヤマくん」とぼくを呼びます。
部長は、ぼくのことをコミヤマくんと呼ぶのです。ぼくの名字はノミヤマなのですが、どうやら部長は間違えて覚えたらしく、直らないのです。
「ダイナブックのマニュアルがダメなんだよ」
「えっ、なんですか、それ?」
「本社で問題になっているんだよ」
真意のほどは分かりませんが、以下の話が噂として流れてきました。
あるお役人の奥さんがダイナブックを購入したのでした。
そして、取扱説明書を読んでもさっぱり分からず、ダイナブックを使えなかったそうです。
ご主人(お役人)に愚痴をこぼすと、お役人は東芝に即電話しました。
「お宅の販売しているダイナブックのマニュアルはちっともわからんじゃないか!」と。
今でこそ、パソコンは買ってきて電源を入れると、あらかじめインストールされているソフトは使用できます。
でも、1989年頃に販売されていたパソコンは、そんなユーザーフレンドリーなものではなく、まずハードディスクのパーティションを切って、フォーマットして、MS-DOSをインストールして、やっと、パソコンを起動することができるのでした。
ソフトを使うなんて、そのあとです!
パソコンの知識のない人だったら、ダイナブックを使えないのは当たり前なのです。
ぼくは、買った人に罪はなく、そんな人に販売した人が悪いと思っています。
取扱説明書だけが悪いわけではないのですが。。。
部長は「おい、コミヤマくん、命がけでダイナブックのマニュアルを改訂するように!」といつもの穏和な態度から180度かけ離れた厳しい視線をぼくに浴びせるのでした。