軍師の境遇

2010/1/24 日曜日 – 10:43:26


書名:軍師の境遇 (角川文庫)
著者:松本清張

自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。

自分史を書くならわたし本の文研ビズ

黒田官兵衛は福岡県(筑前)の英雄の1人だと思うのだが、戦国史上最高の頭脳の持ち主というほうが、名が通っているかもしれない。
この人にあこがれる歴史ファンは多く、ぼくもその1人。
そして、大方の小説家は、黒田官兵衛を描くとき、歯がゆく思っているのではなかろうかと思うのだ。
坂口安吾に至っては、「二流の人」というタイトルにしてしまったし。

松本清張も絶対に歯がゆく思っているはずだ。
彼は小倉(豊前)の出身なので、黒田官兵衛を郷土の英雄とは思っていないだろうが、それでも、(こんなに切れるのにどうして天下を取らないんだ!)と思っているに違いない。
この小説を書いた昭和31年なら、すでに大家となっているので、1人の武将に思い入れするのも何だと思ったのか、「秀吉がいなかったら天下を取っていたかもしれない」と締めに書いているけれど。

この小説は、高校コースに連載されたものだそうだ。
官兵衛は頭がいいだけでなく、思いやりもあり、人に慕われているのだけれど、その部分をはしょっているのは、高校生たちに、「頭がいいだけではダメなんだよ」ということがいいたかったのかもしれない。
ただ、それでは、黒田官兵衛が、ただ頭がいいだけのヤツと誤解されてしまうではないか!

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