眼の気流

2009/4/25 土曜日 – 7:22:26


書名:
眼の気流 (新潮文庫)
著者:松本清張

自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。

もはやぼくの先入観では、松本清張は推理小説で名をあげた心理小説家なのだった。
推理小説という観点で読んでいくと、中には「ありゃ?」というできのモノがある。
例えば、この「眼の気流」に収められている「眼の気流」だ。

事件発覚すら確定していないのだ。桑木刑事は行方不明の二人の男女の行く末を「刑事の直感」で殺人事件と見抜く。
真犯人も「刑事の直感」で!

「死体はここにある!」と警察上層部の反対を押し切って捜索するも死体は出ず。
となぜか、2番手の死体遺棄現場を「刑事の直感」で発見。
それを見ている「真犯人」はやがて自白でもしそうな勢いだ。

なんだ、そりゃ?と思わせないのが松本清張の心理小説家たる筆力。
この小説として疑問だらけの展開が、松本清張の筆力にかかれば、二転三転の起伏にあふれる娯楽小説に生まれ変わるのだ。

「結婚式」にいたっては心理小説でですらない。
しかし、面白い。

松本清張の底と謎をいつか解いてみたい。

チョイ上の自分史わたし本なら文研ビズ

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