明智光秀冤罪論―信長謀殺、光秀でない

2008/5/15 木曜日 – 20:43:31


書名:明智光秀冤罪論―信長謀殺、光秀でない
著者:井上慶雪

自分史を作成するうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を作成するときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。

本能寺の変といえば、日本史上、最大のミステリーといっても過言ではない。
あのNHK「そのとき歴史が動いた」でもたびたび採り上げられる歴史ファンなら誰もが一度は謎解きを試みたことのある大事件なのだ。

歴史の定説として明智光秀の謀反は確定事項で、ただ謎が多いあまり「黒幕は誰だ?」が謎解きだと思っていたが、井上慶雪さんによると、なんと明智光秀は織田信長を討っておらず、冤罪だそうなのだ。
そして、この暗殺劇をしくんだのは、黒田官兵衛だそうなのだ。

黒田官兵衛といえば、ぼくのいちばん好きな武将で尊敬もしている。その人が真犯人というのだから、びっくりした。
まあ黒田官兵衛なら、あの頭脳を駆使すればこのくらいのことをしてのけてもおかしくはないけれど。

確かに、明智光秀が冤罪というのであれば、信長暗殺後の無策ともいえる後手後手の処置は、すべて「はめられた!」という動揺と思えなくもない。
そもそも、主殺しでないのだから。

じゃあ、何で「私はやっていない」という文書が残っていないのか、秀吉と戦う必要がないじゃないか、という本質的な質問にはまったく答えていないのが、この本の抱える謎なのだが。

知識として面白かったのは、信長暗殺後の無策ともいえる後手後手の処置と明智光秀が織田家中で重要な職務に就いていたこと。他の誰より、織田家繁栄が明智家繁栄に連動するということ。
明智光秀が織田信長を討ったのなら、それは魔が差したとしかいいようがないのではないか?

この本を読み終わったときは、このような気持ちになった。

チョイ上の自分史わたし本なら文研ビズ

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