ドン・キホーテの末裔

2008/5/1 木曜日 – 19:30:47

書名: ドン・キホーテの末裔
著者:清水義範

自分史を作成するうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を作成するときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。

清水義範の小説を読むのは久しぶりだ。
蕎麦ときしめん (講談社文庫)を読んで以来、彼の本が並んでいるのを見ると必ず買うわけではないが、必ず手に取ってみることにしている。
たまに、ごくたまに外れるときもあるが、ほとんど面白い。
この「ドン・キホーテの末裔」は複雑な構成になっていて、小説家が出てきて、その小説家の書いた小説の中にその小説家が入り込んでしまうという構成なのだが、どうもそれはドン・キホーテも同じ構成になっているらしい。
そのパロディになっているらしい。

清水義範といえばパロディ小説家で有名なのだが、パロディの構成が面白いと思ったことはまだない。感心することはあるのだが。
パロディの元になっている小説を知らないからかもしれないが、清水義範さんの小説だけを読むとして十分面白いのだ。
つぶやきに似た地の文。入念に調べたと思われる背景知識。小説を読むだけで博学になっていくのは、彼以外では西村寿行や池波正太郎くらいだろうか?

総ページ285ページの長編だが、4時間ほどで読み切ることができたのは、話の展開がスムースだったからかもしれない。
スペインの歴史もわかりやすく紹介されている。

チョイ上の自分史わたし本なら文研ビズ

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